コメ道楽

老人ホーム職員ときどき猟師。日々是道楽。

犬に寄り添うって

今朝、Tweetに流れてきたこの画像
噛まれすぎた飼い主さんがしんどくならないように作ったらしい道具なんやそうなんやけど、
飼い主さんの犬と仲良く暮らしたい気持ちも、トレーナーさんのなんとかしてあげたいって真面目な気持ちもよくわかるんやけど……うちもしてたしな、そういう方向性の取り組み。
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https://twitter.com/kompismedhund/status/1510891100763873281?t=W4RF8sxrZwTXGnlne6gE0Q&s=19

せやけどなあ、なんやろ
触られたくないって「今は」なってる犬の気持ちはどこにあるのやろ?飼い主やトレーナーさん、犬の気持ちに気づいてるのやろか……なんで、犬の「嫌なんです」って気持ちをほってけぼりにするのやろか……
まだトレーニングの世界はうちが失敗してた10年前とあまり変わってないのか

とモヤーっとした気持ちになって、つい自分ちの犬のことと一緒にTweetしました。
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https://twitter.com/gamikome/status/1511196620125536260?t=nOjowuxTt_EgSjl77lC9Rg&s=19

うちとこの白い子、めっちゃめちゃ賢いヤツでしてね、いやうちの子はみんな賢い思うか知らんけどうちんとこのはホンマ賢いねん!!(親バカ爆発)
で、賢い子のご多分に漏れず、めっちゃデリケート&敏感な柴犬でなのでした。
レーニングなんか、もう1回やったら絶対に覚える系で、今まで飼ってきた犬の中でもダントツ飛び抜けて訓練性能が高くて、「あ、これヤバいやつや」て肌で感じたもん
で、予想に違わず色々な意味でも「ヤバいやつ」でした。

咬む、唸らずひと息に咬むの。ちょっとでも嫌なら「咬む」なぜなら、それで嫌なことが終わった経験したから。覚えたの。1回で……すげぇ性能高いよこの犬、性能高すぎるから、やってほしくない系のことも一発で覚えるの。

で、当時、飼い主思ったわけよ、「このままやったらアカン!なんとか触られるようにせな!」
バカなんは飼い主やった、いうこと。
いや、「嫌や」言うてるねんから嫌や言われてるソレやめたらええだけよ。噛まないように犬変えるとかバカなの?
って今なら言える。

でも、当時そんなこと考えたこともなかったから、だってしつけの本にも、巷のトレーナーも、今までやってきた犬との付き合いにも「犬にあわせる」「犬の気持ちに寄り添う」なんて微塵もなかってんもん。てか、犬の気持ち、とか考えたこともなかった。

で、旧態依然のしつけ方法で取り組んだ結果、犬から「バカなの?」ってなんべんも言われたわけ。血だらけ傷だらけ西城秀樹も驚きの傷だらけのローラ。ならぬ傷だらけのがみがみ。

でね、夏目センセのとこにたどり着くわけですよ。
で、そうじゃないだろ、とまずは犬の気持ちになってみろと、
嫌、言われてるんだったらソレやめてあげなさいよ、と。なんで噛むのか考えたことあるのか?って。
脳みその大きい方が考えるべきことでしょう、と気づいたわけです。変わるのは犬じゃなくて、飼い主の方だよ、と。
環境整えられるのも、接し方を変えられるのも、それは大脳新皮質が発達してる人間の方ですよね、そこは人間が考えるべきことでしょう、犬にどこまで譲歩させるつもりなんや、とすでにもう、目一杯譲歩させてるでしょうが、リードと首輪つけてる時点で。
と、夏目センセから言われたわけでもなく、ブログにもそんなこと書いてないけど、こういうことかなぁって自分なりに理解したの。

前に飼っていた犬は病気でしんどくなって仕方なしに咬んだのやけど、それまで体罰系でやってたから、どうやって接したらいいかわかんないまま最期の時まで触れなかったのよ。(病気で弱ってる犬、叩けないでしょ……)

咬む、に色んなバージョンあることも知らないで暮らしてたってことに、今度の白い子で思い知らされることになったわけです。

白い子からの「バカなの?」抗議にちゃんと礼儀正しく応えていって、今の穏やかな同居に至ってます。
咬まれるよ?今でも。
でも、その咬みになんの意味があるのか、理解できるもんね。なので咬まれても怖くないし、痛いけど痛くない。

犬に寄り添うって、すごく大変なこともあるけど、
犬からの信頼を損なわないって、実はイチバン大切なことやないかと思うのです。

レーニングもシツケも訓練も、土台に犬に対するリスペクトが無いと、本当の意味でのパートナーにはなれないんやないかと思うのです。
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